智咲斗さんは、ダメって言わなかった。
だから良かった。
これはある相談者様からいただいた言葉です。
元彼との復縁を期待していた彼女。
「基本的に殆どの人が復縁は難しい。」
と私に断言されてから、いかに彼を思っているか、彼はどういう人で、今後どうあるべきか等を強く説明したものの、話していくうちに、次第に彼から見た自分が見える様になり、押しつけの恋愛に彼が疲れてしまった事に気がついた後、彼女から言われたものでした。
身勝手な言葉を連ねた事を振り返り、その間私が一度も否定も批判もしなかった事に彼女は驚き、しかしながら、と言うよりもだからこそ、彼女自身が自分の過ちに気がつくことが出来たんだと、それまで曇っていた表情からは見違えるようなすっきりした顔で私に言ってくれたのでした。
「智咲斗さんは、ダメって言わなかった。だから良かった。」
こう言われた時、私は自分の仕事が報われたと感じて、とても嬉しくなりました。
いいじゃないですか。
無理と分かっていても縋り付いて、いけないと感じていても素直になれなくて、直したいと思っても意地を張ってしまっても。
だってそれが人なんだから、今がそうならそれでいいじゃないですか。
ダメだなんて言いません。
今回ご相談者様が私に打ち明けてくれた思いは、自己中心的で幼かったような気がします。
だけど、それを受け入れてくれる人がいるならそれでいいのではないでしょうか?
とはいえ、その先ずっとご本人の望みどりの人生が待っているとは限りません。
そこでマヤ暦を使い、将来の可能性をお伝えし、今後どのように過ごされるかをご本人にご決断していただきました。
自分を見つめ直し、誠実さを取り戻した彼女は、笑顔で私を見ていました。
涙を流した後の瞳は、その時、美しい輝きで溢れていました。