裏切られたこと、自分は愛されていないのではないかと感じたこと、
浮気されてショックなのはどっちの方なんでしょうね?
子供のころから「男は浮気するもの」と何故か当たり前に思っていました。
環境からの影響でしょうか?
思えば周りには
浮気をする人が多かったからかも知れません。
そんな私もその頃は同類でした…。
「会いたいって言われて家に行ったら、彼女が生理でよ。だったら、呼ぶなよな!」
友人が言ったこの言葉が強烈に印象に残っていて、のちの私の恋愛に大きく影響を受けたものでした。
そんな環境しか知らなかった私。
浮気が当然なら、女が浮気しても文句はないよね?というのが当時の考え。
どうしてそうなっちゃったんでしょうね?(笑)
振り返っても、どうしてそういう考えになったのか思い出せないのですが、当時私はそんな軽い考えの女でした。
「知らなければ傷つくこともない。相手を傷つけたくなければ、ばれないように徹底しなくちゃ。」
これが私の持論でした。
完全犯罪を気取って、何食わぬ顔で他の男性の元から帰ったり
「経験した数が女の価値観」と誰かの言葉を真に受けて、一生懸命自分の価値を上げようとしていたり
ここまで振り返って、自分では笑しか出てきません。
本当に恥ずかしい。
なんて身勝手なことしていたんでしょう。
当時、私を気にかけてくださった皆さんに、本当に申し訳ない気持ちが湧いてきます。
ですがその後、身勝手のしっぺ返しは、ちゃーんと私のもとにもやってきました。
「男は浮気して当たり前」
その当たり前の出来事が、私の身にも降りかかったのです。
それまでなぜ浮気されなかったのか不思議ではありますが、その時が初めての経験でした。
彼は完全犯罪者ではありませんでした。
すぐにボロが出たのです。
ただその時は、あまりのショックで何も言えず、何事もなかったようにそのまま自宅に帰りました。
家についてから、猛烈に腹が立ちました。
同時になんて懲らしめてやろうか!と頭をひねり始めました。
ところが数分後、私は落胆していました。
私たちは結婚していたわけでも、結婚の約束をしていたわけでもないのです。
裏切ったかどうかなんて関係ないのです。
お互いが自由。
縛り合った関係ではない。
このことに気が付いたのは、自分の浮気がばれた時に用意していた言い訳があったからです。
彼が浮気したことで私が唯一言える事は「悲しい」の一言だけでした。
「それを言ってどうなる?」
それは私の心の中から発せられた疑問でした。
今の気持ちを伝えるということは、浮気の事実を表面化させること。
そうなれば、別れを告げなければならなくなるかもしれません。
「もうこれっきり、離れていいの?」
今はもう少し一緒にいたい。たとえ浮気されようとも。
そう決断した時の胸の痛みは、経験したことのない痛みでした。
後にも先にもその時だけ。
翌日から私は、何事もなかったように彼と過ごしました。
一緒にいる間、楽しく幸せで、浮気を責めなかったことを後悔する事はありませんでした。
そして、2度目の浮気が発覚した時ー。
私の前を通り過ぎる際に、これ以上ない位に眼を大きくさせてこちらを見る彼を見て、腹が立つのかと思ったら、お腹を抱えて笑い始めたのです。
あんなにびっくりした顔。
隣には別の女性。
ほんとにおバカさんね、見つかるなんて。
それにしても今回は別の女性ってことは、私はまだもってる方か。
あんなにびっくりしたってことは、少しは悪いと思ってるのね。
彼がどうしてそんなに浮気していたのかは今でもわかりませんが、
彼が浮気して、私が傷つくようなことがあったり、迷惑がかかるようなことはありませんでした。
お相手の女性も、それなりに節度がある方でしたしね。
(実は彼が亡くなった後、その女性とは何度かお食事や飲みに行ったことがあるんですよ。なんというか、不思議な絆のようなものを感じていたのでしょうか?一緒に彼を偲びたかったのかもしれません。お互いに彼との関係については何も触れずに。)
その数か月後、彼とはお別れをしました。
浮気が原因ではなく、お互いに違う道を選択するために。
別れる時に喧嘩もしましたが、理解し合っての別れでした。
彼との時間は大切な思い出となっています。
彼が残してくれたいくつかの言葉は、今も私の支えです。
だからあの時、やはり浮気を責めなくて良かったと思っています。
この記事を読まれている方の中にも、お相手の浮気でお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
私の経験が参考になるとは思いませんが、
別れを告げる前に、
ご自身とお相手がどのような関係でいたいのか?という事を
感情的にならずに、一度思い返してみてはいかがでしょうか?
そして、浮気されたことに対して、自分はどんなことにショックを感じているのかという事も。
もし何も振り返らずに、感情的に決断しても、つらい後悔するのは別れたあとなんですから。
時には何も言わずに許すという決断を下す事もあるんですよ。